写真をクリックすると拡大されます。

役者は語る
俳優 小山田錦司
 何とも言えない初日の緊張感に加え、被災者の皆さんはこのミュージカルを受け入れてくれるだろうか。「こんなミュージカルは観たくはない」と言われたらどうしよう。等々不安いっぱいの幕が開き、ミシンの前で縫い娘が軽妙にリズムに合わせ手タップを行う。会場から温かい拍手。
 これはいける。地震と津波の場面では、舞台と会場中に言い様の無い緊張感が走る。しかし、幕を追う毎に、歌が終える毎に、温かい拍手が送られる。このミュージカル「ドリーム工場」は、この仙台を皮切りに全国公演を行っていきますとあいさつすると、厚いあたたかい激励の拍手が会場中に響き渡る。送り出しでは、又来て下さい。是非東北の色々な所で公演して下さい、等々生の声を聞くことができました。
俳優 佐藤水香
 今までやってきた役とは正反対。今までは、自分が行動を起こすことでまわりが動く…そんな役ばかりだったから、何度やっても「違う!」「わかってない!!」と指摘される稽古の連続。
この作品で大事なのは、大地震という人生を変える出来事に遭遇した直後であるということ。その非日常の中にある家族の会話・・・
ひぇ〜難しい!
 しかし今、一番の悩みはこの役についてであるということは、役者としてこれ以上幸せな悩みはないと思っています。
 女優って思っているほど楽しくない。でも、自分じゃない人生を生きる事が少しでも出来るとすごく楽しい。
俳優 小島茂夫
 3・11のあの日、自分はどこでナニをしていたか。その時の自分の行動を想い起こしながら、作品や役の中に入って行こうと、役者たちは懸命に稽古をしました。
 東北は私たち劇団や劇団員の心のふるさとだ。被災にあってしまった多くの自治体には公演に出掛け、語り合った仲間がいました。
 いまこの「ドリーム工場」を持ってゆき、あの人達と語り合いたいと思わずにはいられません。
俳優 大塚邦雄
 "中ちゃん"は久しぶりに新作ミュージカル「ドリーム工場」に登場するのだ。中ちゃんファンクラブの皆さんも喜んでくれることだろう。
 被災した当事者の真只中での舞台の幕開けは異常な緊張となった。私は、頭がクラクラと目まいがしそうな状態。体調をくずしていたので殆ど覚えていなかったが、まわりから「そんな時の方が不思議といい演技が出来る、何故なら力まない、雑念がなくなるからだ。」と云われた。
 終演後、送り出しでお客様から「中ちゃんに会えてうれしかった」「プロローグの地震のくだり泣けちゃった」「風化しないうちに全国の人々にこの舞台をとどけてね"と固い固い握手をされた。