ものがたり
ドリーム工場 −ものがたり−

 大震災で被災した従業員20人ほどの縫製工場の物語り。
 津波で工場の半分は残ったものの、壁は穴だらけ。それでも水がひいた3日後から、社長は泥や塩水をかぶったミシンの洗浄を始めました。
 「塩水を被った機械は錆がすぐ出て来る。時間との斗いだ。」という社長に、様子を見に来た縫い娘たちは心を動かされます。
手に技術を持った社員たちは、何よりも洋服を縫う仕事が大好きなのです。
ミシンがあって職人がいれば仕事は再開できる!と、社長は自力で再建をめざすことにしました。中小企業や個人商店には復興助成金も届かないのです。
 でもミシンの修理には時間がかかります。
 浜の漁師さんたちは、全国から中古の船が贈られて来たことをヒントに、社長は使えるミシンを応援してくれと縫製工場の組合やミシン屋などに呼びかけました。そしてミシンが届いたものの、手に入ったミシンは普通縫いのミシンでした。
 この工場がやって来れたのは、伸縮する素材で水着やレオタードを縫う特殊加工が出来たからです。普通縫いのミシンでつくれる、普段着の洋服はほとんどが工賃の安いアジアからの輸入品です。
 日本の縫製工場が生き残るとすれば、アジアの各国では、真似の出来ない高級服・プレタポルテをつくれる技術がなければなりません。
 そこには中小企業のパワーと誇りが問われているのでした。
 とは言っても、ミュージカルですから、ダンスナンバーなど楽しさがいっぱいの舞台です。

アンケートから
●被災地の話ですが明るく夢のある舞台、歌のハーモニーやダンスが素晴らしい。ファッションショー良かった!
●私の田舎は岩手県大船渡です。今田舎は何もありません。どん底をあじわった被災地、身につまされるものがありました。
●暗い題材にもかかわらず、テンポ良く、歯切れ良く、お涙ちょうだいではなくGood!  世間の安易な復興報道等の批判もありGood!
●工場の再開を軸に進んでいくストーリーで内容的には思い話になってしまうものと思いますがれぞれのキャラクターや演出のおかげで、楽しみながら見ることができました。重みも殺さず、伝えるべきこと、知るべきこともたっぷり伝わってきました。
●震災から2年たち「何が何でも復興を」という声がうすれてきたのではないか、全国公演で息の長い支援の輪をつなげていって欲しい。
●パワフルな舞台楽しみました。復興予算の関係ない流用をミュージカルらしく痛快にぶちきってくれました。現地にまわらない復興予算なんてないよ〜!これからも応援したい!
●被災地出身で東北と東京を行き来しています。復興がすすまない、母は仮設暮らしです。今日は言いたいことを代弁してもらえました。